伊達博物館秋の特別展「縁(えにし)」に協力して頂き、9月8日(土)14:00~と19:00~の昼夜2回映画「桜田門外ノ変」を上演していただいた。館長さんを始め、協力していただいた方々にお礼申し上げます。
上演に当たり、映画の見所について5分程度、話をしてもらえないかという依頼を受け、コスモスホールに出かけた。予想を遙かに超える観客の皆さんで一安心した。そのときの挨拶文を掲載する。
【 桜田門外の変案内 】
伊達博物館秋の特別展に協力していただく形で「桜田門外ノ変」上映していただくことになりました。安岡館長さんを始めご尽力いただいた方々にこの場をお借りして深くお礼を申し上げます。
一身に
責負いまして
立ちましし
大老ありてこそ
開港はなりぬ 井伊文子
琉球王尚家の御子孫で16代彦根藩主井伊直愛(なおよし)に嫁がれた文子様の和歌です。
井伊大老の決断によって今の日本があるという和歌で彦根城内の庭園、玄宮園に石碑があります。歴史において人を描くとき、見方により良きにもなり、悪しきにもなります。この桜田門外ノ変は水戸藩士の目線で描いたもので宇和島大好き人間として知られた作家吉村昭の原作です。映画化するため2億5千万円かけ水戸市内に桜田門を復元しました。
3月3日大雪の朝、桜田門外ノ変が起こります。このとき井伊大老が駕籠の中で敷いていた敷物と大老を守った侍の刀が現在、伊達博物館特別展で展示中でございます。
内容は映画を見てのお楽しみと言うことで、最後の場面に注目していただきたいと思います。倒幕のため江戸に進軍した官軍、東征大総督有栖川宮熾仁親王(ありすがわのみや たるひとしんのう)を後ろに先頭を切って、馬上進むのは西郷隆盛と宇和島藩伊達家の林玖十郎です。史実では白毛のかむりと言うことですが、この映画では竹に雀の宇和島笹の陣笠をかぶっています。
そしてエンディングになります。アランの「悲しみは雪に眠る」が静かに流れます。この場面、お見逃し無く楽しんでください。
2 件のコメント:
歴史上の人物を表現するときに、どの視点に立ってやるかが問題である。まさに、全く同感です。
そして一番大きな問題は、勝てば官軍、更にいえば歴史史観次第で評価が異なるのは問題です。
皇国史観の影響でしょうね、井伊直弼は好きではありませんが、もし彼やその後の優秀な幕府官僚がいなければ分割された日本しかなかったと思うのは大方の意見ではないでしょうか?
歴史にifは許されませんが、個人的にはIFを愉しむことができる歴史も好きです。
歴博友の会 様
歴史を読むのは難しい。読み解く人間の考え方にも寄ると思います。また日本人的な発想、「いい人」「悪い人」の分け方にも関連があると思います。判官贔屓が最たるものでしょう。忠臣蔵もそうでしょうね。
井伊直弼は評価の分かれるところですね。
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