2013年9月23日月曜日
特別展「結の華 -佐賀鍋島家と宇和島伊達家の幕末・明治- 」 (その1)
長寿のシンボルである鶴と亀を陰陽であらわしており、鶴の両翼と亀の甲羅には、鍋島家の家紋である杏葉紋が巧みに図案化され、組み込まれている。染付の亀とは対照的に、羽を広げた鶴と口縁部の瓔珞模様は、光を通すと美しい輝きを放つ。これは素地を透彫にした後、その部分に透明の釉を充填して焼成する「蛍手」と呼ばれる技法である。底部には「棣華堂/伍平製」との染付銘がある。棣華堂とは、武雄市西川登町小田志の樋口治実のこと。樋口は明治20年(1887)に含珠焼の専売特許を得ており、作品は「明の蛍手よりも精巧なり」と称されたという(「肥前陶磁史考」)。伝来の作品は少ない。
明治天皇の御遺物として大正元年(1912)12月、侯爵鍋島家に下賜された化粧道具。ビロード貼の箱の蓋中央に鼈甲製の菊御紋を配し、内部には鼈甲をふんだんに用いた櫛やブラシ、鏡、爪磨きなどを収める。佐賀藩最後の藩主となった11代鍋島直大は英国留学を経たのち駐伊特命全権公使、元老院議官兼式部頭、貴族院議員、宮内省式部長官、宮中顧問官等の要職を歴任し、天皇の信頼も厚かったという。
大正2年(1913)12月2日に鍋島家11代・侯爵鍋島直大夫人栄子が昭憲皇太后より拝領した牙彫置物。擬人化された猿が身の丈よりも大きな桶作りに精を出すさまをあらわしている。桶の側面に底板をはめるための溝を削る親猿と、その傍らで鉋屑で遊ぶ子猿、桶の周囲には道具箱や槌を散らしている。
2013年9月18日水曜日
「結の華 ー佐賀鍋島家と宇和島伊達家の幕末・明治-」 関連イベントのお知らせ
現在、伊達博物館では特別展 「結の華 ー佐賀鍋島家と宇和島伊達家の幕末・明治-」 を開催中です。この期間中に開催されるイベントについて紹介します。
「あつまれ DATEキッズ」
~お殿様気分で茶室に座り、香あそびを楽しもう~
★日時 平成25年 9月29日(日) 13:30~15:00
★参加費 1組 500円 (保護者の入館料・入園料は含まれません)
★会場 伊達博物館および天赦園茶室
*天赦園は博物館より徒歩2分
博物館で展示中の香道具の説明を聞いた後、茶室で香りの記号をデザインし、
香あそびを体験します。
★ 対象は中学生以下。但し小学生以下は保護者の付き添いが必要です。
※ 参加希望の方は伊達博物館受付で参加整理券を受け取り、13:30に博物館内
第2展示室にお越し下さい。
―手に触れる―特別鑑賞会
「結の華 -佐賀鍋島家と宇和島伊達家の幕末・明治-」展開催を記念し、鍋島家ゆかりの品々と、
伊達文化保存会の所蔵品をはじめとする優れた文化財を、伊達家ゆかりの名勝天赦園に特別展示
し、実際に手に触れて楽しんでいただくことを目的とした鑑賞会を催します。
薫り高い美術を伊達家の茶室で味わっていただきながら、本物の雰囲気を目の当たりに、またそれ
らをガラス越しではなく手にとって観賞していだだくまたとない機会です。
*参加者には、薄茶、生菓子などが振る舞われます。
*茶道の嗜みやお稽古の経験の有無にかかわりなくお楽しみいただけます。
*一般の方々に、美術・工芸・武具等の資料に実際に触れていただくことが目的です。
●日時
平成25年10月14日(月)体育の日
10:00~ 11:30~ 13:00~ 14:15~ 15:30~
各席 20名
●会場
天赦園内 春雨亭ならびに潜淵館に、展観席および薄茶席を設けます。
*天赦園は博物館より徒歩2分
●人数
各席20名・申し込み多数の場合は抽選となります。
参加費 一人 3,000円 (当日会場にて申し受けます。)
※ (記念品、特別展博物館図録、天赦園入園料を含む。)
●申し込みについて
申し込み希望者は下記の内容を明記の上、伊達博物館に葉書またはFAXにてお申し込み
ください。締切は 9月30日(月) (消印有効)(faxは9月30日到着分まで)
①郵便番号・住所 ②氏名 ③年齢 ④電話及びfax番号 ⑤参加希望の時間帯
●申込先
〒798-0061 宇和島市御殿町9-14 宇和島市立伊達博物館
TEL:0895-22-7776 FAX:0895-22-7819
●招待券 (参加証)
参加者には時間帯などを明記した招待券 (参加証) を10月10日(木)頃までに送付します
ので、当日受付に参加費をそえてお渡しください。
*必ずしも、ご希望の時間通りのご案内とはかぎりません。
●この件に関するお問い合わせ
・宇和島市立伊達博物館 TEL:0895-22-7776 (受付時間 9:00~17:00 月曜日休館)
・宇和島伊達文化保存会 TEL:0895-22-0034 (受付時間 9:30~16:30 土・日は休み)
【主催:特別鑑賞会実行委員会 共催:(財)伊達文化保存会】
2013年9月8日日曜日
特別展 「結の華 -佐賀鍋島家と宇和島伊達家の幕末・明治-」 開会式を迎えました。
9月6日(金)午前9時から、恒例の平成25年度特別展の開会式及び内覧会を行いました。当日は、各地に被害をもたらした台風17号も去り、秋の日差しが注ぐなか、公益財団法人鍋島報效会より鍋島家第15代御当主鍋島直晶様をお迎えして開催しました。厳粛な中にも華やかな開会式、内覧会の様子をお知らせします。
80余名のご出席をいただき、エントランスホールで開会式を行いました。
主催者を代表して、石橋寛久宇和島市長のあいさつで開会しました。
宇和島伊達文化保存会理事長・宇和島伊達家第13代御当主伊達宗信様よりごあいさつをいただきました。
公益財団法人鍋島報效会会長・佐賀鍋島家15代御当主 鍋島直晶様よりご祝辞をいただきました。
芳心会木村事務所木村宗慎様よりご祝辞をいただきました。
引き続いてテープカットを行いました。
続いての内覧会では、今回の特別展を担当した伊達博物館学芸員が今回の特別展のねらい、見ていただきたい点などについて詳細に説明を行いました。

【第1展示室】
【第2展示室】
【第3展示室】

『結の華 -佐賀鍋島家と宇和島伊達家の幕末・明治-』
1.期間 平成25年9月6日(金)~10月14日(月) (開館34日)
2.開催趣旨
佐賀鍋島家と宇和島伊達家とは深い縁で結ばれており、江戸時代に両家では3組もの縁談が結ばれた。宇和島伊達家5代村候、7代宗紀、8代宗城のもとへそれぞれ護姫、観姫、猶姫が夫人として迎えられている。この縁から,現在でも伊達
家には鍋島家の家紋である杏葉紋のあしらわれた調度群や佐賀焼きと記された
磁器類も残されており、また宇和島市内個人宅には観姫所用と伝わる雛人形・雛道
具類も現存している。
磁器類も残されており、また宇和島市内個人宅には観姫所用と伝わる雛人形・雛道
具類も現存している。
鍋島家は九州北西部に位置する35万7千石の雄藩で、明治期には侯爵家として活躍した。旧佐賀藩主11代直大は皇室の信任厚く 「鍋島は神のような人柄だか
ら」(『鍋島直映公傳』)と称されるほどであり、明治天皇ゆかりの品も残される。
ら」(『鍋島直映公傳』)と称されるほどであり、明治天皇ゆかりの品も残される。
藩政期には、有名な武士の経典『葉隠』が佐賀藩祖鍋島直茂を理想像として書
かれており、歴史に根ざす一貫した人間教育には現代にも通じるところがある。幕末
期には西洋文化を積極的に取り入れ、長崎警備の重要性から西洋式軍備の増強を
かれており、歴史に根ざす一貫した人間教育には現代にも通じるところがある。幕末
期には西洋文化を積極的に取り入れ、長崎警備の重要性から西洋式軍備の増強を
図っており、10代直正が西洋の蒸気船に試乗する様子を描いた「鍋島直正和蘭
船乗込図」と題される絵巻物も残される。近年この絵図に酷似した絵図が伊達家に
現存することが見出され、当時の両家の深い結びつきが伺われる。また、佐賀では藩御用の鍋島藩窯・鍋島更紗・鍋島緞通などの優れた工芸品を産出し鍋島ブラン
ドを確立し、今に伝えている。
ドを確立し、今に伝えている。
平成6年度に開催された当館の開館20周年記念特別展において、鍋島家と伊達
家との深い縁を紹介し好評を得たが、再び鍋島家資料の閲覧を羨望する声も多い。
両藩の結びつきから、現存する親交の深さを感じられる品や美術工芸品を紹介する
ことで、相互の地域振興や文化の広がりに貢献していきたい。
家との深い縁を紹介し好評を得たが、再び鍋島家資料の閲覧を羨望する声も多い。
両藩の結びつきから、現存する親交の深さを感じられる品や美術工芸品を紹介する
ことで、相互の地域振興や文化の広がりに貢献していきたい。
3.会場 宇和島市立伊達博物館
(展示室:空調完備―平均気温22度・相対湿度60%±2)
4.主催
宇和島市・宇和島市教育委員会・公益財団法人宇和島伊達文化保存会
5.協力
公益財団法人鍋島報效会(徴古館)・佐賀県立博物館・佐賀県立美術館
佐賀県立佐賀城本丸歴史館・佐賀県立図書館・武雄市図書館歴史資料館・
九州国立博物館
6.後援(名義使用・宣伝活動)
NHK松山放送局・南海放送・テレビ愛媛・あいテレビ・愛媛朝日テレビ
宇和島ケーブルテレビ・愛媛新聞社・読売新聞大阪本社
朝日新聞社松山総局・毎日新聞社松山支局・産経新聞社松山支局
宇和島ケーブルテレビ・愛媛新聞社・読売新聞大阪本社
朝日新聞社松山総局・毎日新聞社松山支局・産経新聞社松山支局
7.展示構成
【第1展示室 「大名華族」 】
明治期以降の侯爵家ゆかりの品、天賜品
鍋島家:鍋島家11代直大とその夫人栄子を中心とした明治天皇ゆかりの品
永田町鍋島邸西洋館(関東大震災により崩落)を飾った品
伊達家:伊達家8代宗城を中心に、天皇から拝領した皇室ゆかりの品 等
【第2展示室 「婚礼の華」】
婚礼にまつわる調度品
伊達家:鍋島家の家紋・杏葉紋蒔絵調度品
伊達家7代宗紀・観姫所用の品
鍋島家:観姫輿入時の記録 等
【第3展示室 「幕末の華」 】幕末の殖産興業品
鍋島家:鍋島家10代直正ゆかりの品
鍋島藩祖・佐賀藩初代の品
伊達家:伊達家8代宗城所用の品
殖産興業:鍋島ブランド(鍋島更紗、鍋島段通、鍋島藩窯)
西洋軍事(蒸気・大砲鋳造に関する品) 等
8. 観覧料
大人/500円 大・高生/400円 中学生以下/無料
※団体(20名以上)並びに敬老(65才以上)及び身障者手帳を所持する方は
大人/400円 大・高生/200円 中学生以下/無料
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